「で、でも、セラは困ったりしないの?」
「俺が? どうして?」
「どうしてって…」
父兄への説明とか色々ないの?
あたしが言葉を無くしてアワアワしているのを見て、セラは面白そうにクスクス笑った。
「ちゃんと籍入れてるし、別に違法なこともしてないけど?」
「そういうんじゃなくて」
「香織?」
びくん。
セラは突然真剣な顔になって、あたしをじっと見返した。
「香織は嫌なの? 俺と結婚してるって公表するの」
「い、嫌じゃないよっ」
「だったらいいじゃない。何か問題ある?」
じっと見つめられて、目を逸らせられない。
あたしは上ずる心臓を抱えながら、それでも静かに「何も問題は無いよ」と答える。
セラはふ、と優しげに笑うと、あたしの頭を抱き締めた。
「香織が俺と結婚してるって公表するの、少し時間を置こうって言う武井さんには確かに同意したけど、内心なんで? って思ってたんだ。
 香織の仕事はほとんど海外だし、日本での露出なんて、今は高校生だった頃よりずっと少ないのに。
 いざとなったら、香織が仕事辞めても、俺の稼ぎだけだって暮らしていけると思ってるのに」
いつに無く熱く語るセラを見上げて、ちょっとホッとしたりして。
セラも結婚してるって公表するの、嫌じゃなかったんだ。
「結婚してることが仕事のハードルになるんだったら、公表なんかしなくてもいいやって思ってたけど。
 どうもこの半年間を見てても、結婚してるかどうかなんか、あんまり関係無さそうだもんね」
あたしのあごを持ち上げて上を向かせると、じっと瞳を見つめながら「それよりも、俺だけのものだって言えないことに、もう我慢できないよ」なんて言い切っちゃうセラ。
セラじゃなかったら笑っちゃうかも。こんなセリフ。
でも、今まで過ごしてきた時間を思うと、あたしも同じ気持ちだよ。
セラの首に腕を巻きつけてキスをすると、もっと濃厚なキスを返された。
「セラ…」
「香織もベッドに行きたい?」
聞かれて、恥ずかしさに耳が熱くなるのがわかった。
それでもこくん、と頷くと「俺だけのものだって、確認させて?」と言いながら、あたしの肩を抱いてソファーから立ち上がる。
ベッドに向かいながら、何度もキスをする。
そのたびにもっとキスが欲しくなって、二人とも止まらなくなっちゃう。
ベッドの中でお互いの服を脱がすと、セラの素肌が熱かった。
「セラ…熱い…」
セラの胸にキスをする。
「香織も熱いよ」
言いながら、セラはあたしの胸の先端を指先で弾いた。
甘い刺激に、知らずに腰が疼いちゃう。
セラの足にあたしの足を絡めると、セラは少し嬉しそうにプリンススマイルを浮かべた。
「こっちも欲しい?」
「あぁっ」
絡めた足を開かせて、無防備になったあたしのぐずぐずにぬかるんだ場所を、セラの指がゆるゆると刺激する。
胸を責められながらのそれはとてももどかしくて、あたしは腰を揺らしながら、もっと欲しい刺激をセラにねだれずにいた。
「欲しくないの?」
あたしの様子を見て、少し興奮してる雰囲気のセラ。
「や…欲し……い」
「じゃあ、俺を欲しがって? 香織…」
セラの少し上ずった呼吸に感じてしまって、あたしは腕で上体を支えると、セラの上に馬乗りになるような格好で、胸の先端をセラの口元に寄せた。
「舐めて…」
セラは嬉しそうにあたしを見上げると、あたしの目を見ながら、あたしの胸を口に含んだ。
軽く歯を立てられて、びくんっ、と震える。
「あっセラぁ…」
セラの名前を呼ぶと、セラはもっと激しく舌を動かす。
それと同時に、あたしの中に指を入れてかき回して来た。
あたしはビクビク震えながら、セラの責めに崩れ落ちそうになるのを必死にこらえて、多分とてもやらしい表情をしているのを、セラに見せ付けるように顔を向ける。
「ん…もっと…もっとして…」
セラの上で腰をもっと揺らすと、セラの先端があたしのお尻にさわさわと触れた。
セラの先端を、お尻で撫でるように動かすと、セラも我慢できないみたいに「香織…」と囁く。

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