「ん…香織…すげぇやらしー」
荒い吐息のまま、セラは頬を染めてそんな事を言った。
セラの様子に、あたしはもっと感じちゃって。
「欲しい…セラぁ…」
我慢できずにセラをねだると、セラも堪らない雰囲気で「おいで、香織…」とあたしを呼んだ。
ほんの少し腰の位置を変えるだけで、すんなりとセラを迎え入れてしまう。
あたしは背筋をゾクゾクさせながら、感じてるセラを見てもっともっと感じてしまう。
「あっ…あっあぁっセラ、セラぁ」
自分で動いているくせに、セラにどんどん追い詰められるみたいで。
セラもかなり限界に近いみたいに、時々ぎゅっとあたしの腰を掴む。
ちょっと痛いそのぎゅ、も感じちゃうよぉ…。
セラは苦しそうに眉根を寄せると、あたしの蕾に指を伸ばした。
「ひあぁっダメ、セラぁっ」
そんなことしたら、すぐにでもイっちゃいそう!
「俺もう限界。香織のイク顔見せて」
セラも切羽詰った雰囲気で、もっと激しくあたしの蕾を刺激する。
「あっイク、イっちゃうからぁ、あぁっ」
「香織…すげ…あっああ…」
多分、ほとんど同時…。
汗まみれでセラの上に倒れこむと、激しいキスをされながら頭を撫でられる。
セラを出しちゃうのがもったいなくて、あたしはセラの体にすがり付いて、もっと激しいキスをせがむ。
「香織…ちょっとだけ待って」
「やだぁ。セラと離れたくないよ」
「ちょっとだけだよ。こら、香織」
セラは面白そうにそう言うと「ゴムしてても意味なくなっちゃうだろ」なんて苦笑しながら体を起こす。
結婚したんだから、もう中に出しちゃってもいいと思うんだけど。
セラは「香織が大学を卒業するまでは、子供はいらない」なんて言って、まだ避妊しようとするんだよ。
そりゃ、無計画にできちゃうのも大変だとは思うけどさぁ。
欲しいな。セラの赤ちゃん。
「お待たせ」
あたしの隣に体を伸ばすセラを見上げて、ちょっとだけ拗ねた気分。
「どうしたの?」
あたしの気分を敏感に察知して、セラはゆっくりとあたしの頭を撫でている。
「…赤ちゃん欲しいよ」
「欲しいね」
セラの返答にびっくりしちゃう。
この前、まだいらないって言ってたのに?
まじまじと顔を見つめるあたしに「欲しいけど、まだダメだよ」なんてクスクス笑ってる。
「セラぁ」
ぶー、いつもとおんなじじゃないかぁ!
「子供ができたら、香織はしばらく仕事ができなくなっちゃうよ。
 せっかくヨーロッパに足がかりができてきて、子供ができたからってそれに穴を開けるなんて、武井さんがどれだけ迷惑するか、考えてごらん?
 もう少し、香織の仕事が安定してきたら、武井さんに相談しながら、子供のことは考えよう。
 誰にでもおめでとうって祝福されるような子供にしたいんだよ」
セラの言うこともわかるんだけどさ。
あたしの仕事が安定したら、それこそ子供どころじゃなくなっちゃうかもしれないのに。
「香織? まだ拗ねてるの?」
「拗ねてなんかないよだ。おやすみ」
ぷいっとセラの胸に顔を埋めると、セラは小さく溜め息をついてから「おやすみ」と言ってあたしのおでこにキスをした。
セラがいろんなことを考えてくれてるのはとてもありがたいと思う。
けど、たまにはいつものいい子発言じゃないセラも見てみたいよ。
本当に子供ができたら、武井さんだったら絶対おめでとうって言ってくれるもん。
あたしはセラの胸から聞こえる規則正しい鼓動を聞きながら、そんな事を悶々と考えるうちに、いつの間にか寝入ってしまった。

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