「欲しがってくれる由梨絵さんはかわいい」
和真は嬉しそうにそう言うと、抱き上げるみたいにあたしの体を支えた。
がくがくする足のまま、バスルームに連れ去られる。
バスタブの縁に腰掛けるように促されてそうすると、和真はおもむろにあたしの片足を持ち上げて、バスタブの上に乗せた。
それだけでもかなり恥ずかしいのに、あたしの前に跪いて、ぐずぐずになっているあそこに舌を伸ばした。
そうしながら指を何本か入れてかき回す。
直ぐに溢れちゃう場所を刺激されて、またしても腰ががくがくするのを感じた。
仰け反ってお風呂の蓋に手を付くと、それも不安定で。
そんな状態にも何故か興奮してしまって、どうにかなっちゃいそう。
「今日…凄い感じてるね」
和真が目の端に嬉しさを滲ませつつ、それでも興奮しきったオスの雰囲気で囁く。
「あぁっ、だって…和真くんっあぁ」
「だって、何?」
和真の指が立てる、くちゅくちゅと言う音も恥ずかしいのに、あたしはもっと欲しくて、足を更に開いて和真の前に差し出す。
「気持ち…いい……、いいっ」
あたしの言葉に和真は更に興奮して、指先をあたしの感じちゃう場所に集中させる。
「ああぁぁっ」
「イって。由梨絵さん」
「和真くんに…かかっちゃ……あっあ、もうダメっ」
「いいよ。ほら…」
和真の許可の言葉に、もう我慢できないぐらい張り詰めたあたし自身を解き放つ。
「あぁぁっや、いやぁっ」
おしっこをもらしてしまうみたいな罪悪感。
それと同時に、開放した気持ち良さが体の中に広がっていく。
びくびく震えながら波をやり過ごしていると、和真の舌が、あたしのグズグズな場所にもう一度伸ばされる。
「和真…」
頬に手のひらを伸ばすと、和真は恍惚としながらも嬉しそうにあたしを見上げた。
「欲しい。きて…」
和真は立ち上がってあたしに手を貸すと、あたしを壁際に立たせた。
そしてあたしの片足を腕にかけて持ち上げたので、あたしは恥ずかしい場所をこれ以上ないほどさらけ出してしまう格好。
普段なら片足で立つなんて不安定で怖いけど、和真の腕にもたれるようにするととても安定して、恥ずかしい格好なのに妙に心は静かだった。
和真はゆっくりとあたしの中に入ってくると、最初から少し激しく腰を動かした。
すでに一度イってしまっていたので、和真の激しさを簡単に受け入れることができる。
「あっ…由梨絵さん、すげぇ気持ちいい…。
 ぬるぬるで締まってる」
呟くようにそう言うと、一心に腰を動かして、たまにぎゅっとあたしを抱き締める。
「あぁ…このままイキたい」
切羽詰った表情で見返されて、あたしもまた波を迎えそうになっていた。
「イコ…あたしも…」
「由梨絵さんも? また?」
もっと激しくされて、一番奥を何度も突付かれる。
その度に痺れるような快感が競り上がってきて、もう我慢できないくらいだった。
「また…また、イキそう」
「由梨絵…すげーかわいい。淫乱で」
くすり、と小さく笑って、和真は激しい腰使いのまま、あたしを抱き締めた。
和真の腕に体を預けて、責め立てられる快感に身をゆだねる。
完全に預けてしまった状態で、あたしはただ、和真だけを感じていた。
「あぁっイクっ…」
ぎゅってされて、和真の汗ばんだ胸で、彼の匂いを嗅いだ。
あたしの一番奥に解き放たれる熱い塊。
和真は小さく震えながら、あたしの中に何度か放った。
持ち上げていた足を降ろされると、あたしの奥から、和真の精が流れ出てくる。
貪るようなキスを繰り返した後、シャワーのお湯で全てを流し去る。
「…やっぱ由梨絵さんがいい」
シャンプーしていると、和真が少し幸せそうにそう呟いた。
「何言ってるの?」
「理奈だったら、多分こんなに僕を欲しがってくれないもん」
体を洗い終わった和真は、シャワーのお湯をあたしの頭にかけてくれながら、そんな事を呟いた。
「そんなのわからないじゃない。したこと無いんだから」
髪を流しながらくぐもった声で言うと「わかるよ。僕を欲しがってくれるのは、由梨絵さんだけなんだから」などと、訳のわからない確信を込めてそう言った。
「由梨絵さんだけが、僕の思ったとおりに欲しがってくれるんだ。
 僕だけを」
片手でシャワーをあたしの頭に向けながら、片手でシャンプーを流すのを手伝ってくれる。
和真の指が優しくあたしの頭皮をマッサージする。
気持ち良くて和真に任せていると「由梨絵さん、サボんないの」などと叱られた。
「はぁい」
「早く食事に戻らないと。
 夜更かしは肌に悪いんでしょ?」
うー。デパートの美容部員かっつーの。
コンディショナーを手にとって、髪に指を通していると。
「由梨絵さん…きれい……」
突然、和真が抱きついてきて、溜め息みたいにそう言った。
「なんなの? 突然」
コンディショナーをつけ終わった状態で、抱きついてきた和真を少しムッとして見返した。
突然訳のわからない行動を取るのはやめて欲しいわ。
「僕はきれいな大人の女性が好きなんだ」
にっこり、と天使のように笑って、和真はそんな事を口にした。
「へ? 何を突然」
「かわいくないおばさんが好きなんだって言ったんだよ」
シャワーのお湯を頭にかけられて、和真の言葉を反芻する間も与えられずにコンディショナーを流す。
和真は「友達に由梨絵さんを自慢するの、すげー楽しみ」などと、とても幸せそうに微笑んだ。

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